しぜん整体は 何も考えずに自分の内側を観察しながら動く【瞑想的内観運動法】です。

何も考えないということは少し難しい様ですが、人間は二つ以上のことを意識すると何も考えることができない、という性質を利用します。

まず目を閉じて、体の中の感覚(体内感覚)で感じる刺激と体の動きを同時に意識します。そして、体内感覚で確かめる様に自分の動き方を観察します。

これで、二つ以上のことを意識しているので、何も考えることは出来ません。こうして運動することで瞑想状態になり、心地良さが体中に広がり体の深部まで解すことができます。

それでもまだ色々と考えてしまうという方でも、熟練してくれば集中力が高まり 何も考えず運動に専念できる様になります。上達すると、いつでも何処でも運動していなくても、瞑想状態を味わうことが出来るようになります。

こうなれば日常生活の全てが しぜん整体になり、心と体の使い方が上達して怪我や故障が減り 痛みや不調も疲れも少ない健幸体になります。
そして、歳をとればとるほどに向上進化することも可能です。

人間の体には多くの可能性が眠っていて、その殆どがまだ開花していません。大切なことは、自分の可能性を信じること、そして可能性は無限であり 自分の可能性を自分で閉ざしてはいけないと言うことです。

可能性を開くには まず自分の可能性を信じること、そして 体の力み(緊張癖)を緩めること。誰にでも無意識の体の力みがあります。その無意識の力みを緩めるのです。

それには、「気持ちいい」 という体の中の感覚を大切にして体を緩めることはいい事と受け入れ、意識的に体を緩めます。

力みがひどいと感覚が麻痺して何も感じません。解れて緩んでくると痛気持ちよく感じ ~ もっと解れると気持ちよく感じ ~ 力みが改善されると動いている感覚 (筋肉が伸びたり縮んだりなどを感じる) だけになります。

この様に 「気持ちいい」 という感覚は、力みが解れて改善されていく方向性を知る、大切な道標(みちしるべ)でもあります。

勤勉で真面目な日本人は、「気持ちいいとか緩めるなどとお前はたるんでいるな」なんていう声が聞こえて来そうですが、実はこの頑張り屋の性質が体の力みを助長して痛みを増長しているのです。

慢性痛の殆どが、筋肉の緊張癖 (力み癖•コリ) によって血管を圧迫して血流が悪くなり発生しています。電気で言えば配線のような役目の神経を通して脳で痛みを感じているので、痛みの予防と改善には「筋緊張をたるませて緩める」ことが必要になります。

勤勉で真面目な日本人が最も嫌うことを実践する事が、痛みの予防と改善に役立つのです。これが、非常に難しいところです。

恥の文化や罪悪感も邪魔します。「気持ちいいなんて、なんか恥ずかしいし、たるませるなどと不謹慎でいいのかな」 などと自分で自分にブレーキを掛けてしまいます。厄介な事に、このブレーキが筋緊張を助長しています。

じゃあどうすればいいのか? 大丈夫です。やり方があります。それは、目を閉じて体の中に集中し、体内感覚で体の動き方を確かめるように観察するのです。

そして、筋肉の事は忘れて何も考えず、骨と関節を意識して、スムーズに動ける様に意識的に体を緩めて動きます。

この様に、いっぺんに二つ以上のことを意識すると、何も考えることができないと言う人間の性質を利用します。そして、何も考えずに動くことで適度な緊張とリラックスがあり、体が解れ易くなるのです。

体内感覚は、体幹内の環境を整える為の感覚センサーです。体内感覚で骨や関節を確かめながら動くことで骨や関節が適切に動き、関節に歪み (偏り) があれば修正されます。

この時大切なことは、体内感覚で重みを感じとり重力に身を委ねる事です。この様な動き方 (運動) の積み重ねで、体内感覚が益々磨かれ、体の動き方が上達して怪我や故障を起こし難くなり、痛みの予防と改善が出来るのです。